ダラスとサウスレイクで広がる「100万ドル住宅街」のいま



ダラス・フォートワース(DFW)では、100万ドル(約1億5,000万円、1ドル=150円換算)以上の住宅が集中的に存在するエリアが着実に増えてきました。

テキサス不動産協会のレポートによると、2024年11月~2025年10月の期間に、テキサス州で約1万4,418件の100万ドル超住宅が売却され、そのうち約38%がDFW圏に集中していたとされています。

DFWでは約5,500件のミリオン・ドル住宅が成約し、総額約97億ドル(約1兆4,550億円)に達したと報告されています。

  • これら高級住宅の平均価格は1戸あたり約142万ドル(約2億1,300万円)とされ、一般住宅の平均単価に比べ1平方フィートあたり価格が2倍以上。

サウスレイクの郵便番号「76092」が象徴する高級住宅市場

今回のDallas Business Journalの記事では、ダラス周辺の「ミリオン・ドル街」の一つとして、タラント郡の高級住宅地サウスレイク(Southlake)の郵便番号「76092」が取り上げられています。

サウスレイク全体の最新データでも、中央値ベースで約120万〜140万ドル(約1億8,000万〜2億1,000万円)という100万ドル超水準が維持されており、「街として丸ごと高級住宅ゾーン」と言えるエリアになっています。

  • サウスレイクの住宅は中央値約165万ドル(約2億4,750万円)、延床面積4,500平方フィート超(約420平方メートル)の4寝室・4バス以上が一般的なイメージとされています。

  • 在庫は前年比約21%増で、平均市場滞留日数は63〜68日と、以前の「即日売却」に近い状況から、やや落ち着いたバランス市場へ移行しつつあります。

100万ドル住宅市場が拡大する理由

DFWでミリオン・ドル住宅が増えている背景には、雇用成長と企業移転による高所得層の流入が大きく影響しています。

2025年までの5年間で120社以上がDFWへ本社・拠点を移転したとされ、専門職・経営層・テック人材などの高収入世帯がサウスレイクやウェストレイクなどの高級住宅地に集まっています。

  • テキサス全体のミリオン・ドル住宅は、州全住宅のごく一部ながら、売上金額ベースでは「小さくて強い」セグメントとして位置付けられています。

  • DFWのミリオン・ドル住宅は平均4,284平方フィート(約400平方メートル)と、一般住宅(約2,096平方フィート)の2倍規模であり、広さと設備グレードの両面で差別化されています。

サウスレイク市場の現在地:買い手と売り手の力関係

サウスレイクの高級住宅市場は、価格水準は高いものの、2026年に向けて「過熱から適正バランス」へシフトしていると分析されています。

直近のデータでは、売り出し価格に対する成約価格の比率は平均約94%で、最近は売出価格を下げる物件が約44%に達するなど、売り手側が現実的な価格戦略を取らざるを得なくなっています。

  • 一方で、住宅ローン金利は2026年を通じて6〜6.3%前後と予測され、年後半には5%台後半まで下がる可能性があるため、高級住宅を狙う買い手にとっては交渉余地の大きいタイミングになりつつあります。

  • 学区として全米的評価が高いCarroll Independent School District(キャロル学区)の存在が、価格調整が進んでもサウスレイクのブランド価値と需要を下支えしている点も重要です。

有力候補地の見方

富裕層投資家がDFWの高級住宅市場を見る際、サウスレイクのような「学区+生活環境+資産価値」が揃ったエリアは有力な候補になります。

DFW全体で100万ドル超住宅の在庫と成約件数が過去最高水準にある一方で、価格交渉の余地が広がっていることは、「長期居住+資産保全」を重視する側にとっても検討余地が大きい局面と言えます。

  • ダラス市内の高級住宅街と比べて、サウスレイクは広い敷地・大型住宅・評価の高い学区の組み合わせで、子育て世帯に特に人気があります。

  • 2026〜2028年にかけては、企業移転と人口流入が継続する一方、金利と在庫のバランス次第で「入りやすい価格帯の高級住宅」が出てくる可能性もあり、DFW高級住宅市場は戦略的にウォッチすべきフェーズになっているようです。

参考出典:Dallas Business Journal CultureMap Dallas The Dallas Express Wynne Moore Group

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