NVIDIAとCoherentがダラス北郊シャーマンで着工 AI半導体の光配線工場がテキサスで拡張



2026年6月16日、NVIDIAのJensen Huang CEOとCoherent Corp.のJim Anderson CEOがダラスの北約80キロに位置するシャーマン市を訪れ、半導体製造施設の拡張に向けた起工式を行いました。総投資額6億5,000万ドル(約975億円)規模の本プロジェクトは、AIインフラを支える光配線技術の国内生産を4倍に拡大するものです。


Coherentとは何をつくる会社か

Coherent Corp.(NYSE: COHR)はペンシルベニア州サクソンバーグに本社を置くフォトニクス(光技術)企業です。シャーマン工場では「インジウムリン(InP)」という化合物半導体を使った光学部品を製造しています。AIのデータセンター内で、無数のGPUチップ同士を光速でつなぐレーザー・トランシーバーがその主力製品です。NVIDIAとは20年以上の取引関係があり、2026年3月にNVIDIAが20億ドル(約3,000億円)の戦略的投資を発表したことで関係がさらに深まりました。

拡張プロジェクトの概要

  • 総投資額:6億5,000万ドル(約975億円)

  • 製造スペース:現行の2倍に拡張

  • ウェハー生産能力:現行の4倍に増強

  • 創出雇用:1,000人以上(うち550人超が製造・エンジニアリング・技術職)

  • 連邦補助:CHIPS法に基づく最大5,000万ドル(約75億円)の助成(商務省との覚書)

  • テキサス州・シャーマン市の既存支援:計約2,000万ドル(約30億円)

シャーマン工場はすでに「世界初かつ最大の6インチInPウェハー量産ライン」を保有しており、今回の拡張でその生産能力をさらに大幅に引き上げます。


DFWとテキサスへの影響

シャーマン市はダラスから北に約80キロ、プレイノからは約60キロに位置するコリン郡北部の都市です。近年は半導体・製造分野の企業進出が相次いでおり、Texas Instruments(リチャードソン)、GlobalFoundries(計画中)、そして今回のCoherentと、DFW北部を軸にテキサスは半導体産業の新拠点として急速に存在感を高めています。

Huang CEOは起工式で「AIはコンピュートで動くが、スケールするのはコネクティビティだ。そのコネクティビティがシャーマンで作られている」と述べました。AIの処理能力を最大限に引き出すには、チップ間をつなぐ光配線技術が不可欠であり、テキサスがその供給網の中核を担うことになります。

参考出典:Dallas Business Journal Coherent Corp. KXII

関連記事:
シャーマン市、テキサス州:「シリコン新都心」として急成長 アップル1000億ドル追加投資August 08, 2025
半導体工場新設のシャーマン、その勢いは周辺地域にも好影響!August 24, 2022