ダラス企業動向:AT&Tが本社をプレイノへ移転―理由と地域への影響(2026年)
/2026年1月5日、AT&Tはグローバル本社機能をダラス中心部から、北郊のPlano(Legacy Drive周辺)へ移す計画を明らかにしました。新拠点は約54エーカーの用地(住所は5400 Legacy Drive)に「低層で横に広がる」キャンパス型として整備し、本社ビルは2028年後半から順次稼働開始予定で、ダラス・フォートワース(DFW)広域のオフィス拠点を集約する大型プロジェクトとなっています。
AT&Tは2008年から続いたダラス・ダウンタウン本社を離れ、プレイノ市レガシー・ドライブ5400番地の54エーカー(約22万平方メートル)の土地に新本社を建設します。
移転は2028年後半から段階的に行われ、現在ダラス都心のタワーに勤務する約6000人の従業員の多くがプレイノ新キャンパスに集約される見通しです。
AT&Tのジョン・スタンキーCEOは、従業員エクスペリエンス(働きやすさ)を重視した結果として、郊外型の広いキャンパスへの移転を決断したと説明しています。
▼移転の背景と理由
なぜ今、プレイノなのか
新本社予定地は、かつてエレクトロニック・データ・システムズ(EDS)の本社があった広大な跡地で、レガシー・ウエストの商業エリアにも近く、飲食・ショッピング環境が整った人気エリアです。
スタンキーCEOは、54エーカーの敷地により、ダラス都心・プレイノ・アービングに分散しているDFW内の管理部門を一つのキャンパスにコスト効率よく統合できる点を強調しています。
プレイノはすでにトヨタ北米本社やフィッシャー・インベストメンツなど大企業の本社集積が進んでおり、「郊外型HQクラスター」としての地位を固めつつあります。
水平型キャンパスへのシフト
AT&Tは、都心高層ビル型の「タワー本社」から、低層棟が広がる水平キャンパス型オフィスへとワークプレイス戦略を転換しようとしています。
新キャンパスでは、リモートワーク後の「フルタイム出社」方針と両立するために、駐車場・共用スペース・コラボレーションエリアなどを一体的に設計し直す計画です。
同社は、2023~2024年に実施した従業員アンケートで浮かび上がった「職場環境や駐車スペースの不足」への不満を踏まえ、新本社を「社員体験への投資」と位置付けています。
▼ダラス市への影響と市の受け止め
ダラス市のエリック・ジョンソン市長は、AT&Tがダラスを離れる決定は残念だとしつつ、同社がより大規模な水平キャンパスを求めていたことが大きな要因だとコメントしています。
市長は、ゴールドマン・サックスの新キャンパス計画など、都心部には依然として大型投資が続いていると強調し、ダラスCBDの経済基盤は引き続き強固だとアピールしました。
ダラス市マネジャーも、治安改善やホームレス対策など都心環境の改善を挙げつつ、「最終的にはAT&Tが広大な開発余地のある郊外を望んだ結果」として、段階的な移行を見守る姿勢を示しています。
▼DFW不動産市場・日本企業への示唆
AT&Tの移転は、ダラス都心オフィスビルの空室率や再開発ニーズを一段と高める一方で、プレイノ・コリン郡側のオフィス・住宅・小売需要を押し上げる要因となります。
トヨタをはじめとする日本企業にとっても、「ダラスCBD vs プレイノ郊外」という立地選好の議論が改めて重要になり、本社・バックオフィス・R&Dなど機能別に拠点をどう配置するかが戦略課題になります。
今後、AT&T本社タワー跡の再開発や、レガシー・ウエスト周辺の追加インフラ投資など、DFWの都市構造・不動産マーケットに波及する動きが2028年前後にかけて本格化していくとみられます。
参考出典:
Dallas Morning News CBS News WFAA WSJ Business Insider
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