ダラスのコメリカ銀行がFifth Thirdに吸収。フリスコで人員削減、ダウンタウンから撤退、60店舗を新設へ



記事ハイライト

  • 2007年以来ダラスに本社を置いたコメリカ銀行がFifth Third銀行に吸収合併。109億ドル(約1兆6,350億円)のM&Aで全米9位・総資産2,940億ドルの大手銀行が誕生

  • フリスコで累計340人超が解雇、追加解雇が9月11日以降も継続。買収後の重複業務削減と2026年9月8日のブランド転換に向けた統合が進む

  • ダウンタウンのコメリカバンクタワーを2028年に退去しプレストンセンターへ移転。ダラスを北テキサス地域本部と位置づけ、7億ドルを投じてDFW圏60店舗・テキサス全体250店舗超を2029年までに整備


ダラスに本社を置き、DFWを代表する金融機関の一つだったコメリカ銀行(Comerica Incorporated、NYSE: CMA)が、2026年2月1日にオハイオ州シンシナティのFifth Third Bancorp(Nasdaq: FITB)に吸収合併されました。買収総額は109億ドル(約1兆6,350億円)で、総資産2,940億ドル(約44兆円)の全米9位の銀行が誕生しました。統合に伴いフリスコでは大規模な人員削減が相次いでいます。


コメリカとはどんな銀行だったか

コメリカはミシガン州デトロイト創業(1849年)の老舗商業銀行で、2007年にテキサス州の事業環境とコスト優位性を評価してダラスへ本社を移転しました。移転先はダウンタウンのコメリカバンクタワー(1717 Main St.、60階建て)で、以降約19年にわたりDFWの金融ランドマークとして存在してきました。買収時点でテキサス州内に101店舗(うちDFW圏51店舗)を運営し、DFW圏の預金残高は50億ドル(約7,500億円)超に上っていました。


フリスコで相次いだ人員削減。累計340人超

統合に伴う人員削減はフリスコ(17 Cowboys Way・The Star内のコメリカスタータワー)を中心に段階的に実施されました。

  • 第1波(2026年1月7日WARN届出):コメリカが184人を解雇、発効日は3月13日

  • 第2波(2026年2月5日WARN届出):Fifth Thirdが54人を追加解雇、4月24日〜5月22日の2フェーズで実施

  • 第3波(2026年7月WARN届出):Fifth Thirdがフリスコで100人超を追加解雇、9月11日〜2027年1月29日にかけて順次実施

Fifth ThirdのCEO Tim Spence氏は「削減は主にバックオフィスや非顧客対応業務に集中させる」と述べており、顧客向けサービスへの影響を最小化する方針を示しています。一方でフリスコ以外のDFW圏従業員への追加影響については明言を避けています。


2026年9月8日。コメリカブランドが消える日

Fifth ThirdはDFW圏51店舗を含むテキサス州内101店舗のコメリカブランドを、2026年9月8日(レイバーデー翌日)にFifth Thirdブランドへ一斉転換します。当初2026年10月中旬を予定していたブランド転換が前倒しされたことで、統合のペースが加速しています。転換後、Fifth Thirdはテキサス州内で108店舗を運営する体制となります。コメリカの名を冠したスポーツ施設(デトロイト・タイガースの本拠地コメリカパーク等)の改名も2026年末〜2027年初頭にかけて予定されています。


ダウンタウンからプレストンセンターへ。本社の行方

コメリカが2007年から使用してきたダウンタウンのコメリカバンクタワー(60階建て)のリースは2028年に終了します。Fifth Thirdはこのビルからの退去を決定し、プレストンセンター(8300 Douglas Ave.)の新オフィス(2028年第4四半期完成予定)へ移転します。暫定本部はノースパーク近くの8850 Boedeker St.(ダラス)です。Fifth Thirdは同ビルで2フロアを占有し、行内に支店も設置する予定です。

DFWを「北テキサス地域本部(Regional HQ)」と位置づけたFifth Thirdは、ダウンタウンからの撤退を選択した一方、ノースダラスのビジネス集積地への移動で幹部層・顧客双方へのアクセス改善を図っています。


7億ドルを投じたテキサス攻略、DFWに60店舗

  • DFW圏:今後3年間で60店舗を新規開業(コメリカ転換51店舗に加えて)

  • テキサス全体:2029年までに250店舗超(テキサス投資総額7億ドル・約1,050億円)

  • 目標シェア:ダラス・ヒューストン・オースティンでトップ5入り

  • 全国目標:2030年までに1,750店舗(半数以上を南東部・テキサス・アリゾナ・カリフォルニアに配置)

  • コスト削減目標:2026年中に4億ドル(約600億円)、最終目標8億5,000万ドル(約1,275億円)

Dallas Regional ChamberのBrad Cheves会長は「数十年にわたりノーステキサスを支えてきたコメリカの遺産がFifth Thirdのもとで引き継がれる」とコメントしています。

関連記事:
フィフス・サードがコメリカ買収を完了 全米9位の大手銀行が誕生し、ダラスは中核市場にFebruary 09, 2026
フリスコのコメリカ銀行で184人削減へ フィフス・サードとの合併後に人員調整January 19, 2026

参考出典:Dallas Business Journal Fifth Third公式プレスリリース WFAA WFAA WFAA Dallas Innovates