ダラス賃貸住宅市場に広がる「日本企業の存在感」と「野村不動産の成長シナリオ」



テキサス州ダラス都市圏では、人口増加と企業進出を背景に、賃貸住宅需要が安定的に拡大しているとみられます。

この成長市場において、野村不動産は約54ヘクタールの大規模複合開発「The Farm in Allen」内で、総戸数311戸・地上4階建て・賃貸床面積約2万5100平方メートルの賃貸住宅「Alta Preserve(アルタ・プリザーブ)」に参画し、2027年竣工予定のプロジェクトを推進しています。

同社にとってダラスでは2件目の賃貸住宅案件であり、1件目の「Jefferson Morningstar」(テキサス州ダラス都市圏ザ・コロニー市、373戸、2027年竣工予定)と合わせ、米国での賃貸住宅事業は累計2000戸超の規模に達する見込みです。


野村不動産のダラス戦略と3カ年計画(2026/3〜2028/3期)

野村不動産ホールディングスは、長期経営方針の下で「3カ年計画(2026/3〜2028/3期)」を策定し、成長事業として賃貸住宅への重点投資を掲げています。

この計画では、28/3期に事業利益1600億円、事業利益年平均成長率8%水準、ROA5%以上、ROE10%以上を財務指針とし、賃貸住宅やホテル、物流施設などへの投資拡大を通じて、安定した利益成長を目指しています。

海外事業については国内で培ったノウハウを活かし、各国のパートナーと協業しながら各々最適なローカライズにより当社の独自性を発揮し、ベトナム・フィリピンなどアジアの成長国と、イギリス・アメリカなど先進国にバランスよく展開し、安定的な利益拡大を目指すと明記されています。

アメリカについては、安定的な需要が見込まれる賃貸住宅への新規投資を継続実施する方針であり、ダラスの「Alta Preserve」や「Jefferson Morningstar」は、この方針を具現化するプロジェクトと位置付けられます。


ダラスで進む日本勢の動き:大成建設や他社の事例

ダラスでは、野村不動産だけでなく、日本の大手ゼネコンや不動産関連企業も賃貸住宅開発に本格参入しています。

大成建設は現地法人Taisei USAを通じ、ダラス市内の賃貸集合住宅「Modera the Hill」プロジェクトに参画し、地上8階建て・総戸数387戸、共用部に屋上プールやVRラウンジ、フィットネススタジオなどを備えた物件を2025年着工・2027年末竣工予定で開発しています。

ダラスは市中心部から周辺成長都市やダラス・フォートワース国際空港へのアクセスに優れ、企業立地と人口流入が続く注目エリアとされており、日本企業にとっても長期安定収益を狙える賃貸住宅投資先として重要性が高まっています。


野村不動産のグローバル展開とダラス案件の位置づけ

野村不動産グループは、2030年ビジョン「まだ見ぬ、Life & Time Developerへ」の実現に向け、海外事業を含む事業ポートフォリオの拡充を進めています。

海外では、ベトナム・フィリピンでの分譲住宅、ロンドンでのオフィス・賃貸住宅、米国ダラスやシアトルでの賃貸住宅開発などを展開し、それぞれの地域で社会課題と需要構造に合わせたローカライズ戦略をとっています。

特にダラスでは、「Jefferson Morningstar」と「Alta Preserve」という賃貸住宅案件を通じ、住宅需要の底堅いエリアに長期安定キャッシュフローを生むアセットを積み上げることで、3カ年計画における「成長事業(賃貸住宅)への重点投資」と「海外事業の将来収益拡大」という二つの柱を同時に実現しようとしています。

参考出典:野村不動産 野村不動産 PRTIMES Nikkei

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