ダラスの実業家トム・ダンドン氏がNBAポートランド・トレイルブレイザーズ買収へ
/2025年8月、ダラスを拠点とする実業家トム・ダンドン氏が、NBAポートランド・トレイルブレイザーズの買収に基本合意しました。今回の買収額は推定42億5,000万ドル(約6,290億円、1ドル=148円換算)と報じられており、NBAフランチャイズの売却額としても歴代トップクラスです。
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▼買収プロセスと背景
ダンドン氏はNHLカロライナ・ハリケーンズのオーナーとしても知られる投資家で、地域密着型スポーツ経営と積極的な資本投下で高い評価を受けています。今回の買収は故ポール・アレン氏の遺言に基づいて行われ、収益の多くが慈善活動に充てられる予定です。ブレイザーズの球団価値は2018年時点で7,000万ドル(約103億円)だったのが、2025年には42億5,000万ドル(約5,400億円)まで跳ね上がりました。
▼今後の経営方針と市場影響
チームのポートランド本拠地維持が明言されており、現地コミュニティとの連携も強化される見通しです。加えて、NBA理事会による承認後に正式売却完了となるため、今後は球団運営やフロントの再編も含め、積極的な投資・改革が期待されています。NBA全体では2025年平均球団価値が約46億ドル(約6,808億円)に到達し、新TV放映契約やデジタル化の流れも加速中。セルティックス、レイカーズに続く超大型売買事例として、アリーナ刷新や地域振興策への資本流入も高まると見られます。
▼ダラス―スポーツタウン化の現在地
トム・ダンドン氏の積極的な買収活動は、ダラスが「アメリカのスポーツ都市」としてさらに注目される契機になっています。今年初頭にはDallas Mavericksの経営刷新、新興スポーツエンタメ施設(Batbox、プロバレーボールMLV)の誕生もあり、NBA・MLB・NHL・新興リーグが集積する躍動感ある都市となりました。交通・インフラ・ファン層の規模だけでなく、投資家・オーナーのグローバルな視点と地域愛が、ダラスを次代のスポーツ経済の牽引役へと押し上げています。
▼これからのダラスとNBAに期待
巨額買収と地域連携の成功モデルは、今後のNBA運営や多都市間の競争力強化にも貢献します。ダラスは“観る”だけでなく“体験する”スポーツ都市として、メジャースポーツ・ベンチャー・ファンコミュニティの成長を続けていくでしょう。
参考記事:Dallas billionaire to buy Portland Trail Blazers
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