ダラス・マーベリックスの大多数の株を売却〜起業家マーク・キューバンとは？

億万長者の起業家であるマーク・キューバンは、多岐にわたる事業や役割で知られています。彼は特に、NBAバスケットボールチームであるダラス・マーベリックスのオーナーや、人気テレビ番組「シャークタンク」で鋭い投資家としての姿勢を見せています。キューバンのキャリアは、テクノロジー、メディア、スポーツ、そして最近では製薬業界にまたがる一連の戦略的な動きと投資によって特徴づけられています。

▼ダラス・マーベリックスの大多数の株を売却

マーク・キューバンは「シャークタンク」からの離脱を発表し、その直後にラスベガス・サンズ・カジノ会社を経営するアデルソン家に、NBAダラス・マーベリックスの大多数の株を約35億ドルで売却することで合意しました。この取引の一環として、キューバンはバスケットボール運営の管理を維持します。

カジノの大物シェルドン・アデルソンの未亡人であるミリアム・アデルソンは、マーベリックスの購入資金として彼女の持ち株20億ドルを売却すると発表しました。この取引には、ミリアム・アデルソンの娘婿であり、ラスベガス・サンズの社長兼最高運営責任者であるパトリック・デュモンも関わっています。

この売却により、スポーツやエンターテインメント分野でのラスベガス・サンズ家の関与、テキサス州アービングの不動産投資、放送権と地域スポーツネットワークへの影響、テキサス州のカジノ法案への影響など、いくつかの潜在的な意味合いについて議論が起こっています。キューバンはテキサスでのギャンブル合法化を支持しており、この売却に関連する注目点となっています。

アデルソン家とデュモン家は、通常の終了条件とNBA理事会の承認を条件に、年末までに取引を完了する意向です。NBAは、すべての新しいフランチャイズオーナーが審査プロセスを経て、リーグの諮問財務委員会との面接を受け、NBAのガバナーの一定割合の承認を得る必要があります。

世界で5番目に裕福な女性とされるミリアム・アデルソンは、約350億ドルの資産を持っています。アデルソン家はネバダ州最大の新聞、ラスベガス・レビュー・ジャーナルも所有しています。

▼ダラス・マーベリックスの企業価値の向上

2000年にH・ロス・ペローからマーベリックスを2億8500万ドルで購入して以来、キューバンはそのチームを現在35億ドルの価値がある高く評価されるフランチャイズに変貌させました。彼のオーナーとしてのアプローチは独創的で効果的であり、2011年にはマーベリックスが初のNBAチャンピオンシップを獲得しました。

▼マークキューバンとは

インディアナ大学を卒業した後に彼の旅は始まりました。彼と同じIU出身のトッド・ワグナーは、インターネットを介してホージャーズバスケットボールゲームのオーディオをストリーミングするアイデアを考案し、その会社をドットコムブームの頂点でヤフーに56億ドルで売却しました。この売却により、キューバンの富と地位は大きく向上し、後にスポーツチームの所有というアメリカのビジネス文化における究極のステータスシンボルに投資することが可能になりました。

▼スポーツとエンターテインメント以外でも活躍

キューバンは薬価に関するイニシアティブに積極的に関与し、製薬業界に変化をもたらしました。テキサス州でのゲームおよびエンターテインメント業界への参入を予告するかのような、マーベリックス株の売却は戦略的な動きでした。現在、テキサス州ではギャンブルは違法ですが、法的な改革を加速させる可能性があります。テキサス州は人口と経済の大きさを考えると、ゲーム業界にとって魅力的な市場となり得ます。新たな市場を先読みし、それを活用するキューバンの洞察力が、再び彼を有望な業界の最前線に位置づける可能性があります。

キューバンは以前に政治への関心を示していましたが、2024年の選挙出馬の計画はないことを示唆しています。代わりに、彼はビジネスイノベーションと投資に焦点を当て続けており、カジノツーリズムを含むマーベリックスの収入源の多様化に関心を寄せています。