テキサス証券取引所、SEC承認で2026年始動 ─ NYSE・ナスダックに挑む新勢力
/米証券取引委員会(SEC)は、テキサス証券取引所(TXSE)を国法証券取引所として登録することを承認した。2026年から取引を開始するとしており、ナスダックやニューヨーク証券取引所(NYSE)からどこまで上場シェアを奪えるのか注目される。
TXSEの創業者であるジェームス・リー氏は「株式発行体と投資家とのパートナーシップ構築」に注力すると約束した。
ナスダックとNYSEもテキサス州でのプレゼンス強化に努めている。両社は地政学的な不確実性やインフレ、高金利が招いた低迷から回復している新規株式公開(IPO)市場もすでに支配しており、TXSEは厳しい競争に直面しそうだ。ナスダックは今年3月、ダラスに地域本部を開設すると発表。NYSEもテキサスの拠点を拡充した。
テキサスに本拠地がある唯一の証券取引所として、TXSEは所得税がなくビジネスに優しい環境づくりに努めている同州の魅力を高く評価している。
ブルームバーグ・インテリジェンス(BI)の市場構造調査責任者、ラリー・タブ氏は「TXSEはある程度の上場銘柄を獲得するだろう」と述べたうえで「IPOを実現し、寄り付きや引けといった取引をうまく運営できるだろうか。経験豊富な人材を採用してはいるが、簡単なことではない」と指摘している。
TXSEは26年から株式と上場投資信託(ETF)の取引を開始する予定。他の取引所との二重上場を認める一方で、特定の取引所のみで上場する収益性の高い「プライマリー上場」の誘致を目標にしている。
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