テキサス州、データセンターの電力網接続に監査を義務化



記事ハイライト

  • Abbott知事が8月3日、州の電力網(ERCOT)への接続審査が進んでいるデータセンター計画に対し、監査を条件とした承認保留を指示。接続申請の総量は州の過去最大需要の5倍超となる474ギガワット、うち約90%がデータセンター関連

  • トランプ大統領はPunchbowl Newsの取材に対し方針への不満を示したと報じられたが、Meta・Google・OpenAI・Amazon等はテキサス州の新基準への順守を相次いで表明

  • 11月の中間選挙を控え、住民のデータセンター建設反対が政治課題化するなか、4期目を目指すAbbott知事にとっても慎重な対応が求められている


テキサス州のAbbott知事は2026年8月3日、州の電力網(ERCOT)への接続審査が進んでいるデータセンター計画について、州機関による監査を条件とした承認保留を指示しました。データセンターの電力需要急増が州全体の電力供給の安定性を脅かしかねないためです。


監査を条件とした承認保留の中身

Abbott知事はテキサス州公益事業委員会(PUC)と電力信頼性評議会(ERCOT)に対し、ERCOTの接続プロセスを進んでいるデータセンター計画すべての包括的な検証・監査を指示しました。ERCOTが現在受け付けている接続申請の総量は474ギガワット超に達しており、これはテキサス州の過去最大の電力需要の5倍以上です。うち約90%がデータセンター関連の申請とされています。

監査では、各データセンターが受けている税制優遇の内容、自家発電設備の有無、冷却方式、水の再利用計画、照明・敷地境界(セットバック)、緊急対応体制、所有・支配構造などが確認されます。基準を満たさない計画は接続を拒否される方針です。基準を満たせば通常どおり接続審査が進むため、すべての開発が無期限に止まるものではありません。


トランプ氏の批判と大手テック企業の対応

Texas Tribuneの報道によると、トランプ大統領は8月7日、ネットメディアPunchbowl Newsの取材に対し「テキサスがデータセンターに反対しているように見える。それは間違いだと思う」と述べ、同じ共和党のAbbott知事の政策に不満を示したとされています。

これに対しAbbott知事は、Meta・Google・OpenAI・Amazon・QTS・Skybox・Digital Realty・Maraといった企業が新基準への順守を表明したことを相次いで発表しています。Metaはエネルギー・水・必要な電力網インフラの費用を自社で負担すると表明。OpenAIも州知事宛ての書簡で、プロジェクトに必要なインフラ費用の負担と新規電源確保への協力を明記しています。


住民の反発と政治的背景

11月の米中間選挙を控え、住民の反発が政治課題化しています。米ギャラップの2026年調査では、回答者の71%が自分の地域へのAIデータセンター建設に反対し、48%は「強く反対」と回答しています。4期目を目指すAbbott知事にとっても、この問題への対応は重要な政治課題となっています。


DFWへの影響

DFWエリアはシャーマン・フォートワース(AllianceTexas)を中心に半導体・AIインフラ関連の投資が相次いでいます。ERCOTの接続プロセスを進む新規案件は今回の監査対象になりますが、既存の稼働案件や自家発電型プロジェクトへの影響については、法律専門家の分析でも「不明」とされており、現時点で断定はできません。

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参考出典:Office of the Texas Governor Office of the Texas Governor Texas Tribune OpenAI Gallup Morrison Foerster