西日本鉄道、テキサス州ワクサハチー市で宅地開発事業に参画[waxahachie]



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福岡市に本社を置く西日本鉄道株式会社(西鉄)は2025年11月、米国テキサス州ワクサハチー市において初の宅地開発事業に参画すると発表しました。地元デベロッパーのAlpine Start Development, LLC(ASD社)と共同で設立した事業会社を通じ、約27.8万平方メートルの敷地に水道インフラを整備し、商業用地・タウンハウス・賃貸住宅用地として分譲する計画です。 

▼プロジェクトの概要と特徴

本プロジェクトは、ダラス市中心部から南へ約43km、車で約30分の距離に位置するワクサハチー市で展開されます。開発面積は約27.8万平方メートルで、商業用地(2.2万平方メートル)、タウンホーム用地(11.1万平方メートル)、賃貸住宅用地(14.5万平方メートル)の3セクターに分けて段階的に開発され、2026年10月から2027年1月にかけて引き渡しが進む予定です。 

ワクサハチー市は人口約4.8万人で、ダラス・フォートワース複合都市圏(人口約834万人)に含まれ、近年急速に人口増加が進むベッドタウンとして注目されています。周辺の雇用拠点へのアクセスが良く、通勤・商業利便性に富んだエリアとして、賃貸住宅および分譲住宅の需要が高まっています。

▼西鉄のアメリカ不動産戦略

西鉄は第16次中期経営計画の重点戦略として海外不動産事業の収益拡大を推進しており、現在6カ国(ベトナム、インドネシア、アメリカ、タイ、フィリピン、インド)で不動産事業を展開しています。アメリカでは収益用不動産開発を中心に進めており、すでにテキサス州内でサギナウ市・ハルトムシティ市などでASD社と賃貸集合住宅を共同開発してきた実績があります。 

今回のワクサハチー市での事業はアメリカにおける初の宅地開発への参画となり、開発初期段階から関与することで、土地取得・インフラ整備・分譲までの開発ノウハウ獲得を目指しています。総事業費は約36億円規模と見込まれています。 

日本企業のテキサス不動産進出が加速

近年、西鉄に加えて住友林業、積水ハウス、丸紅、大和ハウス、ミサワホームなど日本の大手住宅・不動産企業がテキサス州で大規模投資を展開しており、2020年から2025年にかけて数十億ドル規模の資本が流入しています。ダラス・フォートワース地域は全米屈指の経済成長エリアであり、日本企業400社以上が進出、豊富な雇用と住宅需要が投資の決め手となっています。 

西鉄のワクサハチー市宅地開発参画は、日本企業によるテキサス州不動産投資の新たな一歩です。今後も日本企業の海外展開が加速し、ダラス都市圏の成長を支えるプレーヤーとしての存在感が高まることが期待されます。

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参考出典:
米・テキサス州 ワクサハチー市における宅地開発事業に参画します-PR TIMES
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000850.000017692.html
西鉄、米テキサス州の宅地開発事業に参画 ベッドタウン需要見込む-日本経済新
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOJC255LD0V21C25A1000000/
西鉄が米テキサス州で宅地開発、総事業費36億円で水道インフラ整備し分譲-読売新
https://www.yomiuri.co.jp/local/kyushu/news/20251127-OYS1T50002/