テキサス州、AI拠点として急成長
/2025年秋、テキサス州は全米・世界から注目を集めるAIの中心地へと変貌しています。アボット州知事は「アビリーンの巨大プロジェクト『Stargate』を超えるAI投資が州各地で続々と進む」と発表。既にOpenAI・Oracle・SoftBankの共同投資額は総額5,000億ドル(約75兆円)に達しています。
今後、テキサス各地やオハイオ州などにも「ギガワット級」のデータセンターが建設され、合計で10ギガワット以上の規模に成長する見通しです。
Photo by Open AI
▼Stargateアビリーン拠点の実態と影響
・敷地面積:800エーカー(東京ドーム約68個分)
・施設数:8棟
・サーバー:NVIDIA GB200を搭載したラック6万台
・建設労働者:6,000人以上
・恒久雇用:1,700人
・間接雇用(インフラ・ホテル等):数千人規模
・電力消費:600MW(アビリーン市の家庭数倍に相当)
Oracleの試算では、この拠点だけで20年間に10億ドル超の経済効果を生み、地域経済を大きく押し上げるとされています。
▼アビリーン市の基礎情報
・人口:約13万人(2025年時点)
・平均年齢:32.8歳
・世帯年収:平均$82,900(中央値$62,700)
・主要産業:教育、空軍基地、医療、物流、農業、エネルギー
石油・ガス:年間$1.99億
家畜:年間$5.39億
ダイエス空軍基地の経済効果:年間$4.48億
都市圏購買力:$27億
自然環境の豊かさやフレンドリーなコミュニティ文化も特徴です。新拠点の拡大と「AIデータセンター大国」へアビリーンだけでなく、シャックルフォード郡でもVantage Data Centersによる25億ドル投資・1.4GW規模の「Frontier」メガキャンパスが建設中。これによりテキサス州全体のAIデータセンター規模は7ギガワットを超え、近く10ギガワットに到達する見込みです。
OpenAIのサム・アルトマンCEOは「米国はAI基盤競争で後れを取れない」と強調。アボット知事も「テキサスは革新と雇用創出で世界一になる」と述べています。
▼強みと課題
テキサス州全体で「成長」と「持続可能性」をどう両立させるかが、今後の焦点となります。
強み
・広大な土地と自然資源
・安価で安定した電力
・規制緩和の積極姿勢
・州政府の全面支援
・地域とのパートナーシップ(奨学金・雇用トレーニングなど)
課題
・電力消費の急増
・環境負荷
・税制優遇による地域格差や持続性の議論
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