テキサス州プリンストン市の急成長と住宅開発一時凍結の現状
/プリンストン市は近年、急激な人口増加に伴い注目を集めています。2023年から2024年にかけて約30%の人口増加を達成し、37,000人未満の市として国内トップクラスの成長率を示しています。この成長はダラスやフリスコ、プレイノといった主要エリアへのアクセスの良さや、手頃な住宅価格、良好な学校評価などが背景にあります。しかし、その急速な拡大によりインフラと公共サービスに深刻な負荷がかかっています。
▼モラトリアム(開発一時凍結)の背景
プリンストン市は2024年9月に、新規住宅開発に対する一時凍結(モラトリアム)を発動しました。これは、急速な成長で上下水道、道路、警察などのインフラや公共サービスが追いつかず、市民生活の質の維持が困難となったためです。市の自治法に基づき、市は適正な手続きと市議会の議決を経てこの措置を導入しました。
▼課題の詳細
・水道と下水の供給容量の限界
・道路交通の慢性的な混雑
・警察や消防などの緊急サービスの人員不足
・特に警察官約30名の増員が必要とされており、急速な人口拡大に対処するための体制強化が喫緊の課題となっています。
▼現状と今後
モラトリアムは当初120日間の措置でしたが、2025年6月に市議会が延長を決議し、2025年11月30日まで継続しています。期間中は新規の住宅開発許可は発行されず、インフラの強化や公共サービスの充実に注力しています。
今後は上下水道の増設、道路整備、公共安全体制の強化を進め、これらが一定レベルに達した段階で新規開発の許可が段階的に再開される見込みです。ただし、インフラ投資の遅れや計画の遅延があれば、さらに延長される可能性も残ります。
プリンストンの事例は、テキサス州北部の急成長都市が抱える共通の課題を象徴しており、成長と生活の質をバランスさせるための制度的対応の重要性を示しています。
ソース:
Orderly Growth Ordinance/Moratorium - Princeton, TX
Princeton, Texas Is Growing Too Quickly, Halting New Developments
Housing moratorium extended | Princeton Herald
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