ダラス・モーニングニュース、140年の地元独立経営に幕 ハーストによる買収が決定
/ダラスを代表する日刊紙「The Dallas Morning News(ダラス・モーニングニュース)」が、米大手メディア企業ハースト(Hearst)に買収されることが発表されました。買収額は7,490万ドル(約110億1,030万円1ドル=147円換算)で、ダラスニュース・コーポレーション(Nasdaq: DALN)の株主には1株あたり14ドル(約2,058円1ドル=147円換算)が支払われます。これは直前の株価に対して219%のプレミアムとなります。
▼買収の背景と意義
1885年創刊、140年にわたり地元独立経営を続けてきたダラス・モーニングニュースは、ピューリッツァー賞を9度受賞するなど、全米でも有数の信頼と実績を誇る新聞です。かつてはダラス・タイムズ・ヘラルドなど複数紙が競合していましたが、現在ではダラス唯一の日刊紙として、北テキサス地域の情報インフラを担ってきました。
今回の買収により、ダラスニュース・コーポレーションは非公開企業となり、株式はナスダック市場から上場廃止となります。ダラス・モーニングニュースは今後、ハーストが全米で展開する28の日刊紙や300以上の雑誌、テレビ・ケーブルネットワークの一員として運営されます。
▼ハーストによる今後の展望
ハーストは既にヒューストン・クロニクル、サンアントニオ・エクスプレス=ニュース、オースティン・アメリカン=ステイツマンといったテキサス主要都市の新聞も傘下に持ち、今回の買収で州内最大規模の新聞グループとなります。
ハースト側は「地域に根ざした高品質なジャーナリズムへの投資を継続し、デジタル戦略や読者層拡大にも力を入れる」と表明。ダラス・モーニングニュースの既存スタッフや編集方針も尊重し、地域報道の強化を目指すとしています。
▼地元・業界の反応
地元では、長年の独立経営が終わることへの寂しさとともに、近年全米で相次ぐ新聞社のファンド買収や経営悪化の流れの中で、ハーストのような資本力あるメディアグループによる買収は「より良い選択肢」とする声も上がっています。
業界関係者からは、「ハーストは地元報道を重視する方針を掲げており、今後もダラス地域の重要なニュース発信源としての役割が期待できる」との見方が示されています。
▼ダラス・モーニングニュースについて
ダラス・モーニングニュースは1885年創刊、ピューリッツァー賞9回受賞の歴史を持つ、ダラス唯一の日刊紙です。地元の政治、経済、文化、スポーツなど幅広い分野で信頼性の高い報道を続けてきました。日本人駐在員や留学生、ビジネス関係者にとっても、ダラス・フォートワース都市圏の最新情報を得る上で欠かせないメディアです。
今回のハーストによるダラス・モーニングニュース買収は、140年続いた地元独立経営の歴史に一区切りをつける出来事です。一方で、資本力とノウハウを持つハースト傘下で、今後も地域に根ざした質の高い報道が継続されることが期待されています。ダラスの情報インフラとしての役割は今後も変わらず、地域社会と読者に寄り添う存在であり続けるでしょう。
参考記事:Dallas Morning News To Be Acquired by Hearst in Deal Valuing DMN Parent at $74.9M
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