ダラス・フォートワース 全米で7年連続の新築住宅市場No.1を維持



ダラス・フォートワース(DFW)メトロプレックスは、ZondaのBuilder誌による調査で、7年連続となる全米一の新築住宅市場として選ばれました。2025年6月18日に発表された最新ランキングによると、金利上昇やマクロ経済の不確実性にもかかわらず、テキサス州の住宅需要は依然として高い水準を維持しています。

注目すべきは、全米トップ10市場のうち4つをテキサス州が占めており、ヒューストンが2位、サンアントニオが4位、オースティンが5位にランクインしています。

▼2025 年の最も人気のある新築住宅市場トップ 10

1 ダラス・フォートワース アーリントン、テキサス州
2 ヒューストン パサデナ ザ・ウッドランズ、テキサス州
3 フェニックス メサ チャンドラー、アリゾナ州
4 サンアントニオ ニューブラウンフェルズ、テキサス州
5 オースティン ラウンドロック サンマルコス、テキサス州
6 アトランタ サンディスプリングス ロズウェル、ジョージア州
7 オルランド キシミー サンフォード、フロリダ州
8 タンパ セントピーターズバーグ クリアウォーター、フロリダ州
9 ラスベガス ヘンダーソン ノースラスベガス、ネバダ州
10 シャーロット コンコード ガストニア、ノースカロライナ州 サウスカロライナ州

このランキングは、住宅市場データZondaが過去12か月間の建築許可件数を基に算出したものです。

▼圧倒的な成長と新築住宅の増加

DFWの住宅市場は、堅調な雇用拡大と人口流入、そして沿岸部の都市と比べて手ごろな価格帯が大きな魅力となり、持続的な成長を牽引しています。23社のフォーチュン500企業が拠点を構える経済の多様性も高く、専門職や家族連れの流入が続いています。

2020年2月以降、DFWの雇用は11.2%増加し、2024年には毎月約20万件の新規雇用が生まれるなど、経済の活況が顕著です。

2025年、DFWの新築住宅販売は2021年以来の高水準に達し、全国的な住宅在庫増加の傾向と一致しています。新築住宅の増加により、買い手はより多くの選択肢を得ており、価格も安定傾向にあります。特に人気の学区や主要な雇用拠点に近いエリアでは、需要が高く、売れ行きも速い状況です。

▼買い手市場への転換

住宅在庫の急増により、市場の主導権は売り手から買い手へと移行しています。2025年4月時点で、DFWの住宅在庫は12万3,000件と、通常の53%増となりました。また、2025年3月には取引成立物件の66%が希望価格未満で売却されるなど、市場環境は大きく変化しています。在庫の増加により、多くの郡で買い手市場が明確となり、ここ数年続いた売り手市場とは一転する状況です。

テキサス州は現在、全米で4番目に住宅在庫が多い州となっており、特にエントリーレベルや中堅層の住宅で価格調整が進んでいます。一方、高級住宅市場は引き続き堅調です。



▼価格動向と市場のセグメント化

DFWの住宅価格中央値は横ばい傾向です。2025年5月の中央値は41万ドルで、前年比1万ドル下落していますが、パンデミック前の平均よりも高い水準を維持しています。特に人気のあるエリア(Frisco、Plano、Southlake、McKinneyなど)では、物件が10~14日以内に希望価格以上で売れるケースも多い一方、市場全体では物件が売れるまでに3週間弱かかる傾向が見られます。短期的には価格が横ばいまたは小幅下落する可能性もありますが、長期的には緩やかな上昇が見込まれており、長期間保有する購入者にとっては安定した市場となっています。

▼賃貸市場とマルチファミリー動向

DFWの賃貸市場は需要が強い一方、新築物件の供給も急増しています。過去1年で3万戸が入居されましたが、新築供給は4万戸と吸収を上回り、2024年末の入居率は91.3%に低下しました。特に高級物件で入居率の低下が顕著ですが、ワーキングクラス向け物件は依然として高い入居率を維持しています。2025年にも3万6千戸の新築が予定されており、今後も賃貸料は安定または小幅上昇が見込まれますが、2026年には供給過剰が緩和される可能性があります。

▼DFWの新築住宅市場の最新動向

北テキサスに焦点を当てると、この夏は住宅建設業者にとって好調なシーズンとなりそうです。HomesUSA.comの報告によると、ダラス・フォートワースの新築住宅販売は5月に2,129件と、4月の1,942件から10%近く増加し、2024年5月の1,986件を7.2%上回りました。

「ダラス・フォートワースの住宅建設業者は、3か月連続で販売増加を記録しましたが、契約件数は横ばいとなっています。6月と7月の動向が、このトレンドが続くか、またはこの時期に通常見られるピークかどうかを明らかにするでしょう」と、ダラスを拠点とするHomesUSAの創業者兼CEO、ベン・カバレロ氏は報告書で述べています。

また、ダラス・フォートワース地区の新築住宅販売のペースは改善され、市場滞在期間は4月の148.2日から5月に143.1日に短縮されたと報告されています。新築住宅の契約件数(将来の販売動向を示す重要な指標)もDFW地区でやや増加し、5月は2,692件で、4月の2,681件から増加しました。

▼住宅購入を検討する若年層

全国的に、若年層が米国住宅所有に関する新たな焦点となっています。特に、1996年から2001年に生まれたジェネレーションZが住宅購入の適齢期に差し掛かっており、今後の住宅需要を支える重要な層として注目されています。

ビルダー誌の「最も熱い住宅市場」記事によると、ミレニアル世代の住宅所有率は全国でほぼ50%に達し、賃貸率も50%に近づいています。Zondaのチーフエコノミスト、アリ・ウルフ氏は、パンデミックや急激なインフレ、労働市場の不確実性を経験したミレニアル世代とジェネレーションZの「境界層」に注視していると述べています。

▼今後の展望

DFWは、手ごろな価格、雇用の拡大、多様な経済基盤を備え、今後も全米トップの住宅市場としての地位を維持し続けるでしょう。短期的な価格調整や在庫増加は売り手にとって課題ですが、買い手や投資家にとっては大きなチャンスが広がっています。長期的には人口増加、移住増加、安定した労働市場という強固な基盤が、DFWの不動産市場を支え続ける見通しです。

ソース:
https://www.bizjournals.com/dallas/news/2025/06/24/dfw-us-new-home-market-number-one-seventh-year.html

https://txmortgagegroup.com/dfw-predicted-to-be-the-top-real-estate-market-in-2025/

https://www.dfwurbanrealty.com/blog/2025-new-construction-home-sales-surge-to-highest-levels-since-2021/

https://destinationdfw.com/dallas-fort-worth-housing-market/

https://www.linkedin.com/pulse/dfw-housing-market-2025-buyers-emerges-inventory-soars-mdregroup-l849c

https://txmortgagegroup.com/a-new-emerging-trends-in-real-estate-report-predicts-dfw-as-the-hottest-market-in-2025/

https://destinationdfw.com/dallas-fort-worth-housing-market/

https://mmgrea.com/2025-dallas-fort-worth-forecast/

https://www.nitinguptadfw.com/post/navigating-the-fort-worth-real-estate-market-in-2025-as-a-home-buyer-tips-and-trends

https://www.mdregroup.com/dfw-housing-market-2025-buyers-market-emerges-as-inventory-soars/

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