2026年 テキサス都市の人口動向:フリスコは急伸、オースティン・ヒューストンは流出が加速



近年「全米で最も移住したい都市」として人気を誇ったオースティンやヒューストンが、ついに住民流出時代へ突入。一方、ダラス郊外のフリスコが全米屈指の移住人気エリアに急成長しています。2026年版「Move Buddha 移動予測レポート」や実地調査をもとに、最新のテキサス都市ランキングとその背景を詳しく解説します。

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▼フリスコ:数字が証明する“爆発的人気都市”

今年の注目はなんといってもフリスコ(Dallas郊外)

・イン・アウト比1.29(全米トップクラス)
・過去5年間で関心度0.83%増加、コロナ禍でも年平均プラス成長
・小中高校の新設ラッシュ・家族世帯が多く、転出超過期も一時的で終息

この傾向は中長期に渡る「計画都市の安定成長」「雇用・学校・子育て支援」に支えられており、多様な新住民を受け入れる基盤ができています。「中規模都市・郊外」での新生活志向が全米トレンドになっています。

▼フォートワースも注目株へ

一方で、フォートワースもこの5年で32.7%の関心度増、2026年予測時点でイン・アウト比0.97と急回復傾向に。

市内中心部の密集から一歩外れた“ゆとりある”環境や「西部の雰囲気」「コストパフォーマンス」の高さが評価され、これまで大都市部に住んでいた人たちの新たな移住先として再注目されています。

▼ダラスは「現状維持」だが、郊外に熱視線

州内最大都市ダラスは、2026年も「現状維持」状態(イン・アウト比1.04)を維持し、全米トップ25都市内に残ります。ただし、2019年から移住関心は約19%減少。都市部の魅力は相対的に弱まりつつありますが、国内ではまだ根強い人気を誇ります。



▼オースティン:急速な不人気化の意外な理由

かつて全米を代表する急成長都市だったオースティンは、2026年には流出が流入を上回ると予測されています。

・移住イン・アウト比 0.95(流出超過)
・関心度は2019年比で40%減少、全米でも屈指の急落幅

背景には高騰し続ける住宅価格や不動産市況の低迷があります。実際に売り物件の価格下落や長期販売のケースも増加。外部からの新規流入が止まりつつある一方で、従来の住民にも転出志向が強まっています。

▼ヒューストン・サンアントニオも“流出”傾向が加速

ヒューストン(イン・アウト比0.85)、サンアントニオ(同0.83)も、次年度以降は人口流出都市グループに分類。アトランタやフェニックス、ロサンゼルス、シアトルなど大都市圏に共通する「高コスト化と新規流入鈍化」が主な要因です。

▼テキサス全体で読み解く移住潮流

テキサスの大都市部は、かつての一極集中や都会志向から、「中規模・郊外・低コスト」へと移住動向が鮮明に。フリスコやプレイノなどダラス北部の街が、質の高い教育、治安、生活利便性で引き続き新住民を惹きつけています。

一方、高騰した都市中心部よりも、広い住宅・良質な学校・コストを重視する層が今後も増加することが予測されます。

2026年以降、テキサス州都市部は新たな世代間・家族の移住ニーズに応える「柔軟な成長都市」がリーダーシップを発揮しそうです。「テキサス=どこでも人気」ではなくなった今、都市ごとの差や新生活に適したエリア選びがますます重要になっていきます。

参考出典:
Report: Frisco Surges While Austin, Houston Face Exodus - Dallas Express
https://dallasexpress.com/state/report-frisco-surges-while-austin-houston-face-exodus/
moveBuddha’s Moving Forecast: The Most Popular Cities to Move to in 2026 - moveBuddha
https://www.movebuddha.com/blog/moving-forecast/

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