【DARTシルバーライン開業】北テキサス7都市を結ぶ新鉄道ネットワーク



ダラス・フォートワース都市圏を横断する念願の新鉄道路線「DARTシルバーライン(Silver Line Regional Rail)」が、2025年10月25日に正式開業しました。計画から約10年、建設開始から6年を経て、北テキサスを代表する大型交通インフラがいよいよ完成。オープニング期間の10月25日~11月8日は全線で無料乗車キャンペーンが実施され、地域全体が開業ムードに包まれます。テーマは“Discover New Horizons(新しい地平を見つけよう)”。

Photo by DART

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▼シルバーラインとは

全長約26マイル(約42km)の「DARTシルバーライン」は、プレイノ(Plano)からDFW国際空港(DFW International Airport)までを結び、リチャードソン、アディソン、カロルトン、コペル、グレープバイン、ダラスの7都市を走行。北テキサスの主要雇用エリアや教育機関、観光スポットを網羅し、渋滞緩和と生活利便性の向上を目指します。列車はスイス製の最新型スタッドラー車両(DMU:ディーゼル・マルチプル・ユニット)を採用し、静粛性・省エネ性能・安全性で高評価を得ています。

また、すべての車両・駅には監視カメラ(CCTV)を完備し、DART警察が遠隔監視するため、通勤・通学時間帯でも安心して利用できます。



▼利用スケジュールと運行体制

運行時間は午前4時〜午前1時。平日のピーク時(6〜9時/16〜19時)は1時間あたり各方向2本、オフピーク時・週末は1本の運行。ダラスとプレイノ間の移動所要時間は約60分。中間地点のアディソン駅からは、DFW空港まで約32分、プレイノ方面へ約27分となっています。将来的にはデントン郡交通局(DCTA)のAトレイン路線との接続も計画されています。

▼特徴と周辺開発への期待

シルバーラインの開通は単なる交通インフラ整備ではなく、地域経済発展の起爆剤としても期待されています。沿線では駅周辺の再開発や住宅地の価値向上が見込まれており、特にプレイノ・アディソン・カロルトン各市では、通勤利便性を武器に企業誘致や商業施設の新規建設が加速する見通しです。

また、鉄道と並行して整備されるCotton Belt Regional Hike & Bike Trail(コットンベルト・ハイク&バイクトレイル)は、シルバーラインに沿って全長約26マイルを結ぶ歩行者・自転車専用道。自然と都市交通が融合したサステナブルな交通ネットワークが実現しました。

▼安全性・環境への配慮

稼働中は全線の大部分が「クワイエットゾーン(静穏区間)」に指定され、踏切通過時にも警笛を鳴らさない設計(異常時を除く)。EPA(米国環境保護庁)の厳しい排ガス基準を満たした低排出エンジンを採用し、北テキサスの環境負担軽減にも寄与します。

▼開業イベントと無料キャンペーン

10月25日から11月8日までの2週間はシルバーライン限定で無料運行となり、誰でも気軽に新しい鉄道体験を楽しめます。

シルバーラインの開業は、DFW地域にとって「交通の利便性」だけでなく「都市の一体化・再活性化」への大きな一歩です。都市間移動の選択肢が増えることで、通勤・通学だけでなくレジャーや空港アクセスにも新しい利便性が生まれます。環境配慮型の最新鉄道システムとして、北テキサスの新たな象徴となることは間違いありません。

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