ダラスに新型ミサイル工場、年5000発生産へ



記事ハイライト

  • 米防衛スタートアップのCovenantが、ダラスに新型巡航ミサイル「Anthem」の工場を開設しました。

  • 2027年に量産を始め、2028年にはダラス工場だけで年間5000発の生産体制を目指します。

  • 低価格と大量生産を重視し、米欧諸国で深刻化するミサイル不足への対応を図ります。


米国を拠点とする防衛スタートアップ「Covenant(コベナント)」は2026年9月9日、テキサス州ダラスに新型巡航ミサイル「Anthem(アンセム)」の生産工場を開設したと発表しました。

ロシアによるウクライナ侵攻や対イラン軍事作戦を背景に、米国や欧州では長距離精密兵器の消耗と在庫不足が課題になっています。Covenantは、従来より低価格で大量生産しやすいミサイルを供給し、西側諸国の備蓄強化を支える方針です。


ダラス工場で2027年から量産開始

読売新聞の報道によると、ダラス工場の広さは約9800平方メートルです。2027年に量産を開始し、2028年には年間5000発の生産体制を目指します。

Covenantはドイツ東部ザクセン州にも同規模の工場を設け、年間5000発の生産を計画しています。イスラエル北部の工場では年間2000発を生産する方針で、3拠点を合わせた将来の生産目標は年間1万2000発です。


新型ミサイル「Anthem」とは

Anthemは、地上から発射する長距離巡航ミサイルです。200キログラムを超える弾頭を搭載でき、固体ロケットモーターで発射した後、ジェットエンジンを使って飛行します。これまでに200回を超える試験飛行が実施されました。

同社は具体的な射程を公表していませんが、Anthemを敵の領域内にある重要目標を攻撃する「ディープストライク」兵器と位置付けています。トマホークやJASSM-ERなどの高性能ミサイルを完全に置き換えるのではなく、低価格な兵器を大量配備して補完する構想です。

量産時の価格は1発当たり数十万ドル規模とされ、1ドル160円換算では数千万円から1億円台となります。Financial Timesが伝えたトマホークの海外向け価格、約400万から600万ドル(約6億4000万から9億6000万円)と比べ、大幅に安くなる可能性があります。


すでに約240億円相当を受注

Covenantは2024年に設立され、ピーター・ティール氏のFounders FundやAndreessen Horowitzなど、シリコンバレーの有力投資家から支援を受けています。資金調達額は2億5000万ドル(約400億円)を超え、すでに約1億5000万ドル(約240億円)の注文を獲得しました。

ドイツ製Anthemの国際顧客への納入は2026年末までに始まり、米陸軍への納入は2027年に予定されています。ただし、量産計画や納入時期は今後の試験、契約、生産認証などによって変更される可能性があります。


ダラスで拡大する防衛・航空宇宙産業

ダラス・フォートワース地域には、ロッキード・マーティンをはじめとする防衛・航空宇宙関連企業が集積しています。DALLAS NEWSでも、地域が航空・宇宙産業の新たな拠点として成長している状況を紹介しています。

Covenantの進出は、ダラスが一般的な製造業やテクノロジーだけでなく、次世代の防衛技術と大量生産を担う都市としても存在感を高めていることを示す動きといえそうです。

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参考出典:読売新聞 Reuters Reuters Financial Times