Google、テキサス州に史上最大級の約4兆円のAIデータセンター投資 — Gephyro Consulting (ジェフィロ・コンサルティング)

2025年11月、Googleはテキサス州に対し過去最大となる400億ドル（約4兆円）もの投資計画を発表しました。このニュースはAIとクラウド競争の激化を象徴するとともに、テキサス北部・西部および州経済や雇用構造へ甚大な影響を与える見込みです。

▼どこに・なぜGoogleは巨額投資を決断したか

今回の計画では、テキサス州パンハンドルのアームストロング郡、アビリーン近郊のハスケル郡に新たなAIデータセンター3拠点の建設、及び既存のミドロシアン、レッドオーク（どちらもダラス郊外）キャンパスへの継続的投資が決定。

Google CEOサンダー・ピチャイ氏によれば、

・テキサスは広大な土地・再生可能エネルギー確保・人材供給・規制面の魅力が際立つ
・AI時代到来でデータセンターと電力供給・IT人材の重要性が加速
・このプロジェクトで数千人規模の新規雇用、新たな技術育成資金、教育連携も推し進める

といった狙いが語られています。

GoogleのAIデータセンターが建設される3つの拠点は、いずれもテキサス州内で個性豊かな地域です。

パンハンドル地方のアームストロング郡は、人口約2,000人の小規模農業・牧畜地帯で、雄大なパロデュロキャニオンや歴史深い町「クロード」が有名です。アビリーン北部のハスケル郡は、広大なロウリングプレーンズと農業生産を特色とし、年間の気温差が大きく、地元イベントや湖レクリエーションも盛んです。さらにダラス郊外のミドロシアン・レッドオーク両市は、急成長中の都市圏で、鉄道や高速道路アクセス、産業インフラが充実した土地です。既存のGoogleデータセンターも立地しており、これら3拠点が今後のテキサスIT・AI発展の中核を担う予定です。

▼インフラだけでなく、エネルギー・人材・教育にも波及

Googleは今回の発表と同時に、

・合計6200メガワット超の電力新規契約（再エネ重視）
・ハスケル新拠点には大規模な太陽光発電＆蓄電所も設置し、州全体の電力供給安定に寄与
・「エナジーインパクトファンド」3000万ドル創設で地域の電力効率化、エネルギー料金の負担軽減を支援
・1700人超の新規トレーニング・技術習得プログラムも拡大

など、単なるITインフラ構築にとどまらない“地域連携”型のプロジェクトも大々的に展開。

▼テキサスが米国AI・クラウド中心地に

今回の巨額投資を受け、Googleは「テキサスが全米AIインフラの中核」となることを明確に位置付けています。実際、OpenAIやAnthropicなど競合大手も同州で次世代データセンター建設を相次ぎ発表しています。Googleのクラウド・AI案件増加に伴い、州内の中小IT企業、建設業界、不動産業界、専門人材への波及効果も極めて大きくなると予想されます。