NVIDIAがダラスにAI工場を新設、最大76.2兆円投資
/NVIDIAは、米国でのAIスーパーコンピュータ工場建設という画期的な計画を発表しました。特にテキサス州のダラスとヒューストンに新拠点を設けることで、今後4年間で最大約76.2兆円(5000億ドル)規模のAIインフラ投資を行う予定です。これは、AIチップとスーパーコンピュータに対する爆発的な需要に対応し、供給網の強靭化を図る戦略的な動きです。
この大規模な製造拠点は、ヒューストンではFoxconnと、ダラスでは台湾のWistronと提携して設立されます。両施設を合わせて100万平方フィート(約9.3万平方メートル)を超える製造スペースを確保し、2025年4月から12~15ヶ月以内に本格的な量産体制を確立する見込みです。NVIDIAのCEOであるジェンスン・フアン氏は、「米国での製造拠点の追加は、AIチップとスーパーコンピュータに対する信じられないほどの需要増加に応え、サプライチェーンを強化し、レジリエンスを高めるのに役立つ」と述べています。
NVIDIAのこの動きは、米国の製造業復興を推進する政策や、ドナルド・トランプ前大統領が示唆した関税措置への対応という側面も持ち合わせています。AI半導体や電子機器に対する潜在的な関税リスクを回避しつつ、より安定したサプライチェーンを構築することが、企業の成長戦略に不可欠であると判断されました。これにより、NVIDIAはAI業界におけるリーダーシップをさらに盤石なものにすることを目指します。
米国でのAIスーパーコンピュータの完全な国内生産は、NVIDIAにとって初めての試みであり、数万から数十万規模の雇用創出と、数十年間で数兆ドル規模の経済的価値を生み出すと期待されています。テキサス州は、その強固な技術エコシステムと製造能力により、このAIインフラ構築の中心地となります。この投資は、米国全体のAI技術革新と経済安全保障に大きく貢献することでしょう。
参考記事:Nvidia unveils plans to build supercomputers in Dallas
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