ダラス進出は買収かゼロスタートか? クロスボーダーM&A成功の秘訣



近年ダラス地域には、多くの日系会社が集まり事業をスタートアップしています。スタートアップをするに当たっては、大きく分けて、既存の事業を買収する形とゼロから事業を始める二つの方法がありますが、弊社では両方のサポートをしています。

弊社がサポートしているお客様は、米国での事業規模が数名から30名くらいですが、そのくらいの規模の事業を買収するに当たっては、以下のような点に気を付ける必要があります。

1. 財務の透明性が低い

小規模企業は財務諸表が整っていないことが多く、簿外債務や現金取引の多用などもあり得ます。QuickBooks等の会計ソフトで自前で処理しているケースも多いので、その事業に詳しい公認会計士等によるレビューが重要です。その際は、3~5年分の税務申告書・銀行明細との突合せが必要です。

2. オーナー依存度が高い

売り手オーナーのカリスマや人脈に強く依存している場合が多いので、買収後の業績悪化リスクが高いです。買収後もオーナーが6か月〜1年程度、顧問とサポートしてもらう契約を買収契約と同時に結ぶことが重要です。

3. 顧客・売上の集中リスク

特定の1~2社が売上の大部分を占めると、その顧客を失うだけで経営に大打撃です。デユーデリの際に契約内容・更新履歴・顧客との関係性も要確認です。上位顧客の売上構成割合(Customer Concentration)をチェックしましょう。

4. 従業員・キーマンの流出

人材が少ないため、一人の退職で業務に支障が出ることが多いです。特に「営業担当」「技術者」「店舗マネージャー」などにはインセンティブを与えて、クロージング前に残留の意向確認が重要です。



5. コンプライアンス・ライセンスの確認

業種によっては営業許可証、衛生許可、州のライセンスなどが必要です。また、従業員が移民法に違反していないかどうか必ず書面で確認しましょう。日本から人を派遣する際にはビザが必要ですが、その申請には従業員全員のステータスを届け出ることになります。

6. バリュエーション(評価額)の妥当性

小規模企業は感情的な価格設定をされることもあります。業界平均のEBITDA倍率や、売主の私的支出や売主への報酬を適正化するなどしたSDE(Seller's Discretionary Earnings)をもとに評価するのが合理的です。

7. 買収手法の柔軟性(資産取得 vs 株式取得)

小規模M&Aでは、不要な負債や訴訟リスクを切り離せ、税務面での優遇がある(減価償却のリセットなど)ことから、資産買収(Asset Purchase)が主流です。ただし契約やライセンスの引継ぎがある場合は株式買収も選択肢です。

最後に:現地ネットワークと実務家の活用がカギ

日本との感覚の違い(契約文化、雇用慣行、交渉スタイル)を理解し、地元に根ざしたアドバイザーを活用するのが成功の鍵です。

HGMI社は、ニューヨークと北ダラスに拠点を構え、M&AやPMIサポートサービス、スタートアップ支援サポートサービス、経理・税務・人事・総務のバックオフィスの代行業務、事業再建サービス、日本本社とのリエゾンサービス等を提供しています。それぞれのサービスの概要はホームページでご覧頂けますが、お困りの際は、まずは無料相談をお申込みください。事業の成功のために、総合的・包括的な観点からアドバイスするとともに、問題解決から問題が起きないための日々のサポートをご提案いたします。また、ご希望の方には「ダラス地域におけるクロスボーダーM&A(小規模企業買収)デューデリジェンス・チェックリスト」を無料で差し上げますので、Eメール等でご連絡ください。

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