ダラスに本社を構える良い点・悪い点とは?

多くの企業がパンデミックの影響で新たなビジネス・モデルまたはパンデミック後の経営を再模索している中、北テキサスが本社移転先として数々の利点を抱えている、とダラス・ビジネス・ジャーナルが報じた

会計・財務コンサルティング会社EmbarkのRobottom氏にDFW地域における本社移転、人材状況について聞いてみた。

スクリーンショット 2021-05-25 17.43.39.png

DFW地域に移転を考えている企業にEmbark社はどう対応しているのか?

移転の際、一般的に35%の従業員を保留しているという統計が出ている。例えばサンフランシスコからダラスに移転する場合、人材のギャップは大きくなる。フルタイムの従業員を採用するまでの間に日常の業務をこなす人材がいないという状況ができる。我が社はそのギャップを埋めるサポートを行っている。

Embark社のビジネス市場から見て、ダラスへの本社移転についてどう見ている?

ダラスは常にビジネス・フレンドリーな場所である。ダラスは常に企業の本社移転先のトップ5に入っている。税金の面と助成金の面でも数々のインセンティブがある。人材と企業の流入は目を見張るほどだ。一方で住宅価格も上がっている。従来は35万ドルで一軒家が変えたが、今ではそれが二倍になっている。人口の増加は、さらなる機会を創出する。

DFW地域での人材ベースは他の大都市への企業移転とどう競合していけるか?

DFWにおける人材ベースは素晴らしいものだ。優秀な大学と数々のビジネスが存在している。一方で、人材市場では競争が激しい。優秀な人材があるものの、多くの企業と競争しなければいけない。結果的に、優秀な人材が欲しい場合は給与を上乗せしなければいけない。もちろん業界にもよるが、特定の技術を持った人材を確保したい場合は、十分な資金のある企業と競争しなければいけない。

人口の増加が住宅価格を上げているというが、手頃な住宅価格がDFW地域への本社移転を惹きつけている。住宅価格が上昇したため、もうその利点はなくなったと思っていいのか?

そう思っていいだろう。私が就職し始めた若い頃、ミドルクラスで平均的な収入にもかかわらず、家を購入することができた。しかし今では、価格は上昇し、固定資産税も上がっている。ニューヨークやサンフランシスコに比べると生活費はまだまだましだが、ダラスで手頃な住宅価格という魅力は徐々になくなりつつある。FriscoやAllenなど、ダラスから遠い地域に人々は手頃でそれなりの大きさの住宅を求めて引っ越しつつある。学区の良さも理由の一つだ。住宅価格の上昇はDFW地域に住みたい人々にとって大きな壁となるだろう。

DFW地域における雇用創出についてどう見ている?

パンデミック以前は10万以上の雇用を創出していた。今後の雇用市場は?

雇用機会は増加しつつある。企業のダラスへの移転、さらに半数以下の従業員の保留という観点からも雇用の機会は今後上昇するだろう。

オースティンは企業移転先としてここ数年盛り上がっているが、DFWと比べてオースティンが移転先のホットエリアとなると見ているか?

ダラス商工会議所によると、100以上の企業がダラス地域への移転を計画しているという。オースティンも、テスラ社がギガファクトリーを建設するなど、企業移転で盛り上がってはいるが、ダラスはオースティンより規模が大きい、よって土地があるという観点から利便性、インフラの面でもダラス地域への移転の方が大きいと見ている。