企業が雇用法に触れず、コロナワクチンを従業員に斡旋する方法とは?

雇用主は、従業員に対してコロナワクチンを義務付けるのではなく、奨励するのが最善だ、と専門家はいう。多くの雇用主がその目的を達成すべく金銭的なボーナスやその他のインセンティブをオファーしている、とダラス・ビジネス・ジャーナルが報じた

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スーパーチェーンのKroger社は、ワクチンの接種を証明した従業員に対し100ドルの奨励金をオファー。アメリカン航空は、接種に行く時間に使えるよう有給休暇を与える。マサチューセッツのBright Horizons Family Solutions Inc.は、100ドルのギフトカード。Target Corp.は、時間給の従業員に対して4時間の有給休暇と、接種に行くための移動手段としてLyftの代金を片道15ドルまで支払う。これらは、企業がワクチンの接種率を上げて再オープンに向けて前進するために講じている策のほんの一部だという。

しかし、雇用法の弁護士らは雇用主がワクチン接種を奨励するときに留意すべき落とし穴がいくつかあるという。税額控除の対象になる有給休暇以外にも、現金支給、実費の負担、交通費負担、ギフトカードなどを含むインセンティブの方法はいろいろある。「インセンティブの度が妥当である限り、法には触れないが」問題は「妥当」とはどれくらいを指すのかという国からの指導がないことだ、とアリゾナのBallard Spahr LLPのZweig弁護士は述べている。アラバマのMaynard Cooper & GaleのHolmes氏は、ワクチン接種のインセンティブは、福利厚生法と雇用法の交差点にあり、両分野で問題になる可能性がある、と説明した上で、雇用主にとって最善の策はインセンティブの額を小額に抑えることだという。また、Holmes氏は、雇用機会均等委員会は、これまでに企業が減量プログラムや健康促進のために高額のインセンティブを与えることを禁止している傾向があると説明し、額が大きいと、従業員に強制しているとみなされる可能性があるという。行政からの指導がないことから、多くの企業が現金支給やその他のボーナスではなく、有給休暇をインセンティブとして提供しており、高額の現金支給に比べると有給休暇は法的なトラブルになる可能性は低いと話している。