アメリカのショッピングモール事情について — Gephyro Consulting (ジェフィロ・コンサルティング)

1980年代には大盛況で数多く存在したショッピングモール施設は、現在では閉鎖は相次ぎ、現在ではおよそ700程度で、うち250前後がハイパフォーマンスなモールで、450程度は今後衰退の最終段階になると予測もされている。10年後には150まで減ると予測されています。

商業空間が徐々に変貌を遂げ、また新たな施設が形成されています。これはインターネットの出現、特にAmazonなどの大規模なEコマースの台頭と、消費者行動の変化、すなわち物理的な店舗を訪れて商品を購入するという行動から、オンラインで商品を購入する行動への移行が大きな要因となっています。又、車離れや高齢化により自家用車を運転しないものの増加、消費者の価値観の変化も影響していると言われています。

この変化に対応するために、多くのモールは再開発を行い、複合施設へと変貌を遂げています。例えばダラスでは、古いバレービューモールが解体され、その場所に新たな複合施設の建設が予定されています。その一方で、新たな複合施設「Omni PGA Friscoリゾート」が開業し、小売店やレストラン、アパート、オフィススペース、エンターテインメント施設、ホテルなどが一堂に会する地域が形成されています。

このような変化は、消費者のニーズに応えるためのもので、ただ商品を販売するだけでなく、エンターテインメントやアクティビティを提供することで、消費者がモールに訪れる価値を高める試みです。例えば、メリーランド州のナショナル・ハーバーは、ショッピング、レストラン、アート、アトラクションなどを提供するウォーターフロントの複合型ショッピングモールで、顧客体験で高い評価を得ています。

しかし、このような取り組みが全ての地域で実現可能なわけではありません。人口増加が進んでいる地域では経済的に可能であるものの、財政困難な地域では一つの社会的課題となっています。今後の米国モールの発展は、新たなモールの形成とともに、古いモールの再生も含めた複合的な解決策が求められます。

＜ショッピングモール過去記事＞

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