GAFAMレイオフの衝撃:近年の業界への影響を徹底調査①


ダラスニュースでは、先日のニュース(2023年4月25日)で、ライフサイエンス業界のダラス市場での状況を掲載しましたが、コロナ収束、AI革命、ChatGPT台頭話題で大きな動きをしているテック業界を振り返ってみたいと思います。

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GAFAM中心に広がる大規模レイオフ

近年、多くの企業がレイオフを行っており、アメリカの大手IT企業であるGAFAM(Google、Apple、Facebook、Amazon、Microsoft)も例外ではありません。2022年秋からはレイオフの嵐が吹き荒れ、2023年1月だけでも10万7840人がレイオフされました。アマゾンが1万8000人、グーグル(アルファベット)が1万2000人、マイクロソフトが1万人を超える規模で、メタは昨年1万1000人のレイオフ計画を進めました。アップルを除くGAFAM企業のレイオフ数は計5万1000人に達しています。

レイオフの大きな理由は、コロナ禍に過剰に人員を採用したことと言われています。2019-2021年の社員増加率を見てみると、アマゾン(99%)、グーグル(60%)、メタ(60%)、マイクロソフト(47%)など、コロナ禍に大きく人員を増やしたことが明らかになっています。メタのマーク・ザッカーバーグCEO(最高経営責任者)も、「コロナ後も続く恒久的な加速度的成長であると予測して投資額を大幅に増やす決断をしたが、私の期待通りにはいかなかった」と反省を口にしています。

アップルは、2021年の社員数が15万4000人とマイクロソフトやグーグルとほぼ同水準であるにも関わらず、2019年から2021年にかけての社員増加率は12%と、他のGAFAM企業に比べ穏やかな上昇でした。そのためか、アップルはGAFAM企業の中で唯一レイオフを行っていません。

GAFAMでレイオフされる主な職種

GAFAMにおけるレイオフ(人員削減)は、ソフトウェアエンジニア、プロジェクトマネージャー、データサイエンティスト、マーケティング担当者、人事担当者、財務担当者、カスタマーサポート担当者、デザイナーなど、多岐にわたる職種に及んでいます。

その中でも、最もレイオフが多かったのは人事担当者(HR/Talent Sourcing)で、全体の27.8%を占めました。それに続いて、ソフトウェアエンジニアが22.1%、マーケティングが7.1%、カスタマーサービスが4.6%、PR・コミュニケーションが4.4%となりました。

全体的な傾向として、人事担当者のレイオフが多いことが示されています。特に、人事担当者のレイオフ率が高かったのは、マイクロソフト、アマゾン、メタの3社でした。マイクロソフトでは39.4%、アマゾンで37.4%、メタで29.8%にも達し、平均を上回りました。

2019年から2021年にかけて、アップル以外のGAFAM企業の社員数は平均60%以上も増加しました。この時期、急速な雇用拡大に備え、まずは人事担当者が雇用されたことは想像に難くありません。ただし、人事担当者のレイオフが多い傾向から、今後は過去のような急速な雇用拡大は見込めないというGAFAM企業の方針が示されていると言えます。

このように、現状大量解雇が行われている原因は、主にコロナ禍の過剰採用によるものと考えられています。しかしそれだけではなく、近年のAIの進化にて代替される職種の需要減を見越してレイオフを実施しているとの見方もあります。今後の各企業の動きにも注目です。 

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