干ばつと人口増加による水不足対策を準備【北テキサス】


テキサス州会計監査官によれば、昨年の2022年は過去128年間で11番目に乾燥した年で、4月半ばから8月下旬まで干ばつが続きました。2000年の84日間連続の雨のない干ばつや、1950年代の7年間にわたる干ばつといった過去の深刻な事例には及ばないものの、2022年は水不足が深刻な状況でした。

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それに加えて、北テキサスの人口増加に伴って、現行の水供給システムが十分でないとの懸念があり、今後の水不足が予想されています。

北テキサス地域最大の水源である、コリン郡ウィリー近くにあるラボン湖は最古の貯水池ですが、人口増加の影響で近い将来に供給が不十分になる可能性が指摘されています。そのため、2018年にファニン郡で30年ぶりの主要な貯水池としてボワ・ダーク湖の建設が始まりました。

2022年10月に完成した新しい貯水池は、水面積が16,000エーカーで15マイルにわたって広がっています。ボワ・ダーク湖は、コリン、カウフマン、ハント、ダラス郡の主要なコミュニティに水源として提供されることを目的に建設され、最終的に北テキサスの住民に毎年12万エーカー・フィートの水を提供する予定です。

また、昨年の干ばつに最も苦しんだ地域の一つであるタラント郡では、シーダークリークで新しい湿地帯を作る計画が立案されています。シーダークリーク湿地は数百万ドル規模の3,000エーカーのプロジェクトで、2025年に建設開始予定であり、1日に8000万ガロンの水を生産し、2032年までにさらに56万人にサービスを提供できるようになると予想されています。

北テキサスでは、今後も人口増加による深刻な干ばつ対策が必要になるでしょう。地域の水供給システムを改善し、新しい貯水池や湿地帯の開発を進めることで、地域住民の安定した水供給を確保することが求められています。

人口増加に対するの水源の確保対策は重要な施策の1つであり、ダラスを訪問する方々からもトピックの1つにもなっています。テキサス州政府は、新しい水資源の開発と既存の水源の管理の両方に取り組み、水不足の問題に対応するための包括的な戦略を進めているようです。以下過去記事ではダム建設と貯水池状況に【テキサス水事情】や 将来のテキサス水源をご紹介していますのでご参照ください。

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