ダラス・フォートワース、商業不動産投資で全米トップを維持【Dallas】

北テキサスの商業不動産市場は、2023年の最初の9ヶ月間にかけて活発さを増しています。ダラス・フォートワースでは、同期間に総額130億ドル(約2兆円)以上の商業不動産取引が完了し、全米での商業用不動産の販売でのトップの位置を堅持するに足るものとなりました。

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金融分析会社・MSCI Inc.によると、ダラス・フォートワース(以下D-FW)は2023年の最初の9ヶ月間で132億ドルという圧倒的な商業不動産投資実績を上げました。この数字は、中盤で全米のトップだったロサンゼルスの128億ドルを上回るものでした。アナリストたちはこの結果について、「前年比64%の取引量減少にも関わらず、ダラスは連続して全米の市場でトップの座を維持した」とコメントしています。なお、D-FWは2021年、2022年に続き、今年も第1位の地位を確保しました。

その背景には、D-FWでのアパートの売却増が大きく影響しています。実際、第3四半期までの総投資のうち、約68.4億ドル(約1兆円)がアパート購入に充てられました。また、工業用建物の取引では約29億ドル(約4300億円)、小売業の取引で13億ドル(約1900億円)が動いたとのこと。

テキサス州内での他の都市のランキングは、ヒューストンが第6位、オースティンが第10位、サンアントニオが18位となっています。しかし、今年の商業不動産の購入は、高金利と厳格な貸付市場の影響を受け、全体的には大幅な減少が見られました。

また、MSCIのデータによると2023年の全米の市場は、前年の同期間と比較して伸びる市場は一つもなく、リストに掲載された市場すべてが取引量で二桁の減少を記録しました。特にオフィスビルの投資は、前年の第3四半期比で65%の大幅な減少が見られたとのこと。

このような状況の中、第3四半期までの全国の投資物件の取引総額は2763億ドル(約41兆円)にのぼり、その中で最も大きなシェアを占めたのは、896億ドル(約13兆円)のアパート購入でした。しかし、市場状況の悪化により、797億ドル(約11兆円)の商業不動産が困難な状態に陥っており、特にオフィスビルは約325億ドル(約4兆7000億円)という大きな額に上ります。

一方で、困難な状況にある不動産市場の中で、最も多くの問題物件を抱えるのはマンハッタンで、その額は144億ドル(約2兆1500億円)に達しています。次いで、シカゴが73億ドル(約1兆円)と続いています。

Source: Dallas Morning News

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