テキサスは次の寒波にどうやって停電を避けられるか

電気が復旧した今、テキサス住民はこのような状況が今後起こらないようにするためにはどうしたらいいか、という質問が出てくるだろう。Enverus社のVPであるジョンソン女史によると、州や業界でできることはたくさんある。ただどの解決策も完璧とは言えない、とダラス・ビジネス・ジャーナルは伝えている。ジョンソン女史がいうには、いろんな方法があるが、どれもお金がかかる。10年に一度起こるかの状況に備えてどれだけの投資をするのか、というのが大きな課題になる、という。

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一方で、ヒューストン拠点のエネルギーマネジメント会社CSD Energy Advisors LLC社のバース氏は、「人の命が失われた状況では、解決策を生むためにどれくらいのお金をかけるかはもはや問題ではない。問題は、誰がその費用を負担するかだ」と述べ、最終的にはその負担は電力を消費するエンドユーザーにかかる、と話している。

テキサスの電気網は、規制緩和された市場で運用されている。電力供給は企業によって所有、運用されていて、最終的には小売電力会社が個人にメガワットのレベルで販売するに至るまでバリューチェインを通して販売されている。このような市場では、コストを最小限に抑えることができるのだが、公共衛生や安全を脅かすような究極な事態が起きたときに対応が上手くできないという欠点がある、とテキサス大学オースティン校のキング氏は説明している。

オプションのひとつとして、電力会社に耐候性を持たせることを義務付けるというのがある。これは、2011年に同様な寒波が襲った際にも持ち出された案だが、当時州は耐候性の推奨に留まっただけだった。Rice University Baker Institute of Public Policyのクレイン氏は、既存のシステムは寒波に対応できるものではない。州も業界もコスト削減を理由に必要な予防措置を取っておらず、最終的には、稀にある寒波のためにいくら費やすか、という質問にたどり着く。また、テキサスにはビジネス規制に緩く、エネルギーは安く、という政治哲学があるため、仮に耐候性措置を行うとしたらそれは徐々にしか起こらないだろう、という。