ウォーレン・バフェットの日本訪問:丸紅との会談で見えた商社の魅力


前回の記事ではウォーレン・バフェットがなぜ日本の総合商社へ投資を行ったのかを解説しました。今回は、彼が日本の丸紅を訪問した記事を説明します。

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先月、著名な投資家ウォーレン・バフェット氏が来日し、丸紅の柿木真澄社長と会談を行いました。「私たち商社の経営陣は、今のところ合格点をもらえているのではないか」と柿木社長は述べています。バフェット氏との共同事業については、「具体的な話はまだしていない」としながらも、中小企業として日本の製造業を支える地元の工場への支援を提案したことを明らかにしました。

バフェット氏と一緒に来日した副会長のグレッグ・アベル氏は、商社の経営陣との会談を経て、「日本の文化の素晴らしさを理解し、今後の長期的なビジネス関係に必要な信頼関係を築いた」と振り返りました。アベル氏はバフェット氏から実質的な後継者として指名されています。

柿木社長は、バフェット氏との会談について、「大変有意義だった」と語りました。彼は短期的な利益に目を奪われず、良いビジネスを適切な価格で手に入れ、優秀な経営陣を持つ企業への投資を行うバフェット氏の投資手法が「非常に有益だった」と述べ、彼は「日本はまだ成長する余地がある」という点についてはバフェット氏と意見が一致していたと語りました。しかし、それを達成するためには、日本企業の思考方法を変える必要があると認識しており、万一に備えてキャッシュを蓄える日本の文化を「少しずつ改善していく必要がある」と述べました。

バフェット氏は2020年8月に、伊藤忠商事、丸紅、三菱商事、三井物産、住友商事の株式保有比率を5%から昨年11月には6%以上へ引き上げ、先月にはさらに7.4%まで保有比率を引き上げたことを公表し、今後も追加取得の可能性を示しています。

また、バフェット氏が率いる米国の投資会社、バークシャー・ハザウェイが6日に開催した年次株主総会では、彼が投資先である日本の総合商社と「共に事業を展開することを期待している」と述べ、協力的な姿勢を示しました。「日本での投資はまだ終わっていない。これからも日本の企業を投資先として探し続ける」とも付け加えました。

日本の総合商社にも課題が存在する一方で、中小企業への支援などを通じて、バフェット氏が注目する存在感を示すことが求められています。

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