ダラス赴任を通じて感じた事〜特別インタビュー【わらべや】


ダラスに赴任してから早くも5年が経過したWarabeya North Americaの中村様に、ダラスの街について、ご自身が赴任直後と現在の5年後の変化についてお話しいただきました。また、異文化の言葉の壁や仕事上の障壁、印象的な出来事、日米の相違点など、日本企業が進出を加速させていく中で、参考になる示唆をいただきました。

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Qテキサス州ダラスとはどんなところですか?

A: ダラスは新しい商業施設や住宅地の開発が進み、活気に満ちたエリアです。観光地はまだ少ないですが、エンターテイメントやイベントが充実しており、住んでいて飽きることはありません。また、DFW空港はどこへ行くにもアクセスが良く、仕事でもプライベートでも非常に便利だと思います。

Q赴任当初と5年経過した今では違いを感じますか?

A: 赴任当初は右も左もわからない状態で、何をするにも一から調べたり、現地の人に聞いたりすることが日常でした。自分が初心者のような感覚に戻ったような気持ちでした。また、当時の英語力は現地の方の話すスピードやローカルトークについていけず、会話が難しくなってしまいました。自信を持てず、失敗の連続で空回りすることが多かったです。

現在では、現地の生活にも慣れてきており、現地の人々とも日常会話や冗談が言えるようになりました。また、気になる人がいれば積極的に話しかけるようになりました(笑)。以前は、アメリカ人はストレートに物事を言うという先入観がありましたが、実際はそんなことはなく、相手を傷つけないためやリスク回避のために、ストレートな"Yes"や"No"だけではなく、微妙なニュアンスを持った返答をすることもあります。こうした文化の違いも、今では理解できるようになりました。

現在では、現地の従業員からもさまざまな相談を受けることがあり、仕事でも自信を持って会話ができるようになりました。自身の成長を実感しています。

Q海外を経験する意義はなんだと思いますか? 

A: 海外を経験することで、日本では気づけなかった視点や手法に触れることができます。異なる文化やビジネス環境での経験は、発想力や対応力を飛躍的に高めることができます。海外の手法やアプローチがなぜ成り立つのかを理解し、自身の成長や柔軟な対応力の向上につなげることができると考えています。

Q異文化や言語の壁について、どのような経験をされましたか?

A: 私の会社では多様なバックグラウンドを持つ社員が働いており、それぞれの母国語が英語に影響を与えています。訛りや語彙の違いから、言葉が難しく理解できないこともありました。また、私の日本人訛りの英語が相手に伝わらないこともありました。それぞれの言語の特徴やレベルに合わせてコミュニケーションを心がけるようにしました。

Q海外で仕事をする上での課題や障壁は何だと思いますか?

A: アメリカでは様々なバックグラウンドを持つ人々と一緒に働くことがあります。その際に最も重要なことはビジョンとミッションの共有です。

Q自国と海外のビジネス環境の違いについて、どのような感想をお持ちですか?

A: 意思決定プロセスや権限委譲のレベルに大きな違いを感じます。どちらが良いとか悪いとかではなく、それぞれの強みや弱みを理解し、状況に応じて使い分けることが重要だと思います

Q海外でよって得られたものや、経験したことで印象的だったことは何ですか?

A: 交渉中において、特に印象的だったエピソードがあります。交渉が平行線になった時、私が冗談を交えた一言を発し、雰囲気がほぐれました。その後、お互いにより柔軟な姿勢で接し、譲歩案を見つけ出すことができました。

この経験は私にとって深い印象を残しており、コミュニケーションの力がビジネス上の解決にどれほど重要であるかを再認識しました。契約交渉は緊張感のある状況ですが、軽やかなムードを作り出すことができたことは、お互いに信頼関係を築く上で大きな一歩でした。

相手との円滑なコミュニケーションはビジネスの成果に直結し、持続的なパートナーシップの構築にも大きく貢献します。この経験を通じて、より効果的な交渉やビジネス関係の構築に向けて、さらに磨きをかけていきたいと思います。

Q海外で活躍するにあたって、最も大切にしていることは何だと思いますか?

A: 信頼関係の構築です。私にとって、海外で活躍する上で最も大切な要素は、信頼関係を築くことです。他の人々との信頼関係があることで、円滑なコミュニケーションや効果的なチームワークが可能になります。

私は相手の意見やニーズに敏感に耳を傾け、心から尊重し合い、互いの理解を深めることを大切にしています。信頼関係を構築することによって、共に働く方々との連携を強化し、共通の目標達成や成果の向上に向けて協力して取り組むことができると信じています。

Q自国と海外での仕事の違いについて、どのようなアドバイスをお持ちですか?

A: 海外で働く場合、自分自身のビジネススキルをアップデートし、柔軟に対応することが大切だと思います。

また、コミュニケーションの重要性を意識して、相手との信頼関係を構築することが成功の鍵だと思います。さらに、海外でのビジネス環境に関する知識を積極的に取得し、自分自身が海外で働く上での課題や障壁に備えることも大切です。

Q海外でのビジネスの動向について、どのような見通しをお持ちですか?

A: 今後も日系企業にとってグローバルビジネスがますます重要になると思います。技術の進化により、海外ビジネスのハードルが下がり、挑戦する企業が増えると予想しています。

Q海外で活躍するために必要なスキルや知識は何だと思いますか?

A: 柔軟性やコミュニケーション能力、文化や言語に対する理解力は必要な基本スキルです。さらに、一つの分野での専門知識を持つことも活躍する上で重要です。

Q海外での活躍が、あなたにとって何を意味していますか?

A: 海外で活躍することは、人の役に立つ領域が広がることを意味します。異なる文化やバックグラウンドを持つ人々と協力し、新しい視点で問題に取り組むことができる喜びを感じています。

▼取材を通じて

今回、中村さんにお話を伺う機会を得ることができ、大変貴重な話を伺う事ができました。中村さんが異文化の中に自身を置くことで得た経験の価値について深く感じさせられました。中村さんの言葉から、「未知なる環境での経験が視野を広げ、新たな理解を導く力となること」が鮮明に伝わってきました。

また、「ご自身を振り返ることの重要性」についても、中村さんの意見を聞き、新たな視点を得ることができました。それは自己成長の一環であり、その結果として得られる自信が個々の進歩に対する大切な鍵であるという理解を深めました。

中村さんから頂いたこれらの経験や反省が個人の成長にどのように影響を及ぼすのか、そのプロセスについての貴重な洞察には大変感謝しております。今回の取材は、自己成長や異文化理解について深く考え、学ぶための素晴らしい機会でした。取材を快諾頂いた関係者の皆様にもこの場をお借りして感謝いたします。

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