【教育通信】日本では考えられないアメリカの教育について

今回のトピックスは「日本では考えられないアメリカの教育」について。

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1、アメリカ経済消費

アメリカでは、食べ物で遊んだり、食べ物を使って勉強したり絵を描いたりすることが普通に行われています。私の子供がキンダーに通っていた時、丸いお菓子を数を数える道具に使ったり、マカロニを糊で紙に張り付けて絵を描いたりしました。日本では食べ物で遊ぶことはタブーですが、アメリカには食べ物を粗末にしない、という認識はないように思います。

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ある小学生の生徒が、こんな問題を持ってきました。

「あなたは2,000ドルの品物を買いたいのですが、1,000ドルしか持っていません。どうすればいいか書きなさい」

その問題の上に文章が書いてあって、そこから探して解答を書く、みたいな感じなのですが、書いてあるのが、「クレジットカードで買う」、「銀行から借りる」、「その店でローンを組む」、「知り合いから借りる」、しかないのです。どんなに読んでも、「お金が貯まるまで我慢する」とか「買うのを諦める」がないのです。小学生にですよ。「買うことが前提なんだ。さすがアメリカだな」と思いました。以前読んだ経済学者の本に、「世界の経済は、アメリカ国民の過剰消費を成り立たせるために回っている」と書いてあり、それを読んだときは「まさか」と思いましたが、まんざら大げさでもなさそうです。

中学生の勉強で、チェックの書き方を練習する、というのもありました。そりゃ、いつかは使うでしょうが、中学生に必要な知識ですかね。

2、お金に関する考え方

アメリカでは、お金に関する問題がすごく多いです。アルジブラに入ってからも、文章題で金利や投資、設備の価値の目減り、売り上げに対するコミッション制の給与などに関する問題がいっぱい出てきます。

学校では、実際の会社の株に模擬投資をして、生徒同士を競わせる授業などもあるようです。

日本では、お金に関する勉強は学校では一切しませんよね。上に挙げた、借金をしてでも買いたいものを買う、という教育には賛成しかねますが、投資の勉強なんかは日本でもやってもいいかもしれません。

知り合いに、学生時代に起業してかなり儲けた人がいます。ある日、家にいきなり税務調査員に来られて、「利益に対して税金を納めていますか」と言われたそうです。その人は、「私は、小中高で12年間、大学で2年ほど勉強しましたが、税金に関する授業を1分も受けていませんよ」と反論したのですが、もちろんそんな言い訳が通るわけもなく、しっかり未納の税金と追徴金を支払わされたそうです。やはりお金の勉強、ちょっとはあった方がいいかもですね。

3、驚きの文章題

高校の物理の文章題で、びっくりする問題がいくつかありました。

一つは、「教科書を〇階の窓から落とすと、地面に落ちた時の速度は秒速何フィートになるか」という問題でした。教科書である必要があるのかって思います。

「ある物体に、鉄砲の弾を撃ち込んで、その物体がどれくらいの速度で動くか」という問題もありました。アメリカではそれほど違和感はないのですが、日本では鉄砲を扱う問題は子供には出さないと思います。

次の教科書に載っていた問題は、もっと強烈です。

「戦艦から何マイル離れた高さ何フィートの山を越えて、何マイル離れた敵艦に砲弾を命中させるには、何度の角度に撃てばいいか」、という問題です。市販の問題集じゃなくて教科書ですよ。日本で、「砲弾を敵艦に当てる」なんて問題を、教科書はもちろんのこと、もしもどこかの会社が問題集に載せたら、軽くニュースになるんじゃないですかね。

4、生物の授業

高校の生物の授業で、数週間にわたってブタを解剖しました。そして最終日の授業は、ブタの体の器官、内臓が展示している教室に一人ずつ入っていき、展示してあるものが体のどこの器官・内臓なのかを書いていくというテストだったそうです。

生徒は、「もー、臭くて臭くて大変だった」と言っていました。解剖したブタは何週間も教室に置いてあったそうですから、匂いは強烈だったでしょうね。

5、その他、

日本にはない、アメリカならではのものをいくつか挙げると、

• 小学校のアートや展示物を作成する宿題は、基本親が手伝うことが許されている(奨励されている?)ようで、とても小学生が作れないような、親が手伝ったとしか思えない作品に良い成績が付く。

 親も子供が学校でどんなことを勉強しているのかがわかるし、親子の絆を深めるにはいいかもしれません。

• 月曜日から金曜日までずっと時間割が同じ。

 教科書を持っていくのを忘れるのがなくなりそうですね。

• 学校外でもスポーツをしていると、高校の体育の授業は免除。

 日本にもあるといいのに。

• 方程式の文章題に、「余分な情報がある」、「情報が足りなくて問題が解けない」という問題がある。

 現実の社会には、問題を解くのに必要ない余分な情報は多いですし、情報が足りなくて解けない問題がたくさんあるので、これも日本にもあるといいですね。

6、最後に、

私が最も驚いた学校の宿題をご紹介します。

ある日、女子高生の生徒が、赤ん坊の人形を抱いて塾に来ました。

「なに持ってきたの、いったい?」

「これ、学校の宿題なんです」

「え? それを持つのが?」

「持つって言うか、ずっと抱いていないといけないんです。3日間」

「へーー。大変そうだね」

で、抱っこしながら授業開始。何分か経った時、その人形からいきなり泣き声が聞こえてきて、驚いていると、その子が持っていたカギを口に差し込み、

「これ、数時間に1回泣くんです。そのたびにこの鍵を口に10分くらい差し込んでいないといけないんです」

「すごいね、それ」

「夜中も泣くんで大変なんですよ」

「まじかよ。大変だなぁ」

という宿題でした。いやぁ、びっくりしました。

その子も今はもう35歳くらい。その宿題が練習になったと思います。

以上、私が経験した日本では考えられないアメリカの教育についてでした。

逆に、アメリカの子が日本の教育を体験して、びっくりする事ってなんでしょうね。

掃除をみんなですることかな、起立礼かな、やっぱり校則かも。

今度、生徒に聞いて、ここで発表しますね。

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今回の記事は【教育通信】を井沢慎吾様からご提供頂きました。

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