寒波による停電騒動、ダラス本社移転ブームは消える?

テキサス州で起きた大規模な停電と送電網の機能停止により、多くの企業がダラス・フォートワース地域への本社移転の可能性を再考慮することになるだろうと専門からは予測している、とダラス・ビジネス・ジャーナルが報じた

ダラスを拠点とするSite Selection社CEO兼創設者のホワイト氏によると、特に電力を多く消費する製造業者やデータセンターやコールセンターが基幹業務になっている企業が本社移転の決定に今回の騒動が大きく影響すると述べている。州外からの製造業者が今週視察に来る予定だったが、先の停電騒動で視察を延期するのに躊躇しなかった、とホワイト氏。一方で、従来の本社機能またはエンジニア業務などの典型的なオフィス機能を求めている企業は、今回の騒動はあまり考慮していないという。

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テキサス電気信頼性評議会のマグネス氏は、先の記者会見で電力需要が急増し、発電機が落ちたため、テキサスの電力網が完全に機能停止する状態にかなり近い状況だったと認めた。

ヒューストンに拠点を置く資産管理コンサルタント会社のグローバー氏は、「一度起こったことは再び起こらないとは言えない」とし、停電問題は企業の本社移転ブームの波を止めることになるという。

一方で、ロスアンジェルス拠点のLido社のブラウン女史は、カリフォルニアでは地震、火事、停電のリスク、ニューヨークではハリケーンのリスクがあるわけで、今回の騒動は本社移転の決定に大きく影響するとは思わない、と述べた。

アリゾナ州立大学で都市計画、気候変動を専門とするキース氏は、気候は経済競争力の論議の一部になりつつあるとし、フロリダ州マイアミの海面の上昇によりダウンタウンが洪水に見舞われていることを例に挙げた。

ダラス拠点のコンサルタント会社ReloWomenのウォルター女史は、テキサスの電力網の問題解決は、企業の本社移転または拡大に不可欠だと述べた。